心に残る母の 『う・・・ん』第1回 日本語大賞 小学生の部 【最優秀賞 受賞作品】
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第1回 日本語大賞
テーマ 『人と人とをつなぐ日本語』
小学生の部 最優秀賞 受賞作品
心に残る母の 『う・・・ん』
私の母は、どこも体の悪い所はなく、
ところが、ある日とつぜん、
会社でたおれました。
わたしが病院に行くと、
母の意識はすでに無くなっていて、
『 お母さん ! 』と呼びかけても
意識が戻れば手術できると
お医者さんが言うので、
家族みんなで回復を
祈っていました。
でも、もどる気配はありません。
『ママは強いもん!
病気に負けないもん! 』
と、耳もとでそっと話しかけました。
すると母は、
のどからしぼり出すような声で、
. 『う・・・ん』と、
返事をしてくれました。
意識がないのに、
声が聞こえてびっくりしました。
そして次の日、
『母は帰らぬ人』になりました。
. 『う・・・ん』 は、
母は、きっと病気の時
しゃべれなかったので、
.『ゆりか、ありがとう!
. 私も頑張るよ!』
. ゆりかもしっかり生きてね!』
という『心の声』だったのかもしれません。
わたしの 『ママ!負けないで!』 という
必死の願いが届いたからだと思います。
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わたしは父から言われました。
三十歳前後になったら、
必ず検査をしてもらいなさい ! 』
そう言われたわたしは
母のぶんまで長く長く、
1秒でも1日でも
長く生きようと思いました。
わたしは母の写真を
つくえの上においています。
今だって、その写真を見ながら、
『ママは、今なにをしているの? 』
と、といかけてみると、
なんだか母とお話ししているようで
うきうきしてきます。
母との思い出は
九年間ぐらいしかないけど、
わたしにとっては、
十年二十年にかんじます。
わたしは母の作ってくれた
手料理が大好きで、
母のまねをして
母の手料理を作りますが、
やはり味がちがいます。
でも、これからもっと勉強して
同じ味にしたいです。
そして、家族みんなに
食べてもらいたいなと思います。
わたしは母を思い出すと、
さびしくなる時があります。
でもそんな時、
母の『う・・・ん』を
心に浮かべます。
だって母は、ずっと私を
見守ってくれているからです。
わたしはこれからも、
母の『う・・・ん』を胸にしまって、
母からもらった明るい笑顔で
しっかり生きていきます。
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🌟この子とお母さんの運命というのでしょうか? なんで、若いお母さんにとまだ幼い可愛いこの子に、こんなに辛い思いをさせるのか、本当に可愛そうで涙が止まりませんでした。
それを考えながらこの子の作文を再三読み終えてしばらく、何てこの子は強く明るい大人なんだろうと感じて、本当に関心させられました。
この子がそれまでの両親とは勿論のこと、お母さんとの短い時間の中で、こんなに大きく育った心の豊かさは、家庭環境などの素晴らしさにあるんだろうと思います。
幼くも子供は知らず知らずに大きく育っていく過程が、いかに大切かを痛感させられました。
どうか、当ブログを訪れて下さいました皆々様も、この子の優秀作文をシェアして頂き、心豊かなこの子の心を伝え広げて欲しいと思っております。
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