たこ焼き、日本料理、おつくり、八百屋、魚や、広島、大阪、京都、こしらえ、

コーヒータイム・心の癒し

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ネットワークは「社会はまるごと学校」を合言葉に!【part-④】

読了までの目安時間:約 18分

 


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一般の部投稿作文-part-④

 

 

 

<文部科学大臣賞> 

 

 

 

■一般の部 

 

 

 

テーマ :  ごはんごしらえ

 

           (長崎県)

 

 

 

( 当 選 文 )

 

 

その言葉を耳にしたのは、

 

 二十二年前の六月。

 

 

梅雨入り間近で、

 

どんよりとした灰色の雲が

 

たれこめた夕刻でした。

 

 

 私は大阪のとある下町で、

 

たこ焼き屋の前に並んでいました。

 

 

といっても普通の民家の軒先で、

 

その家の“おばあさん”が焼いているのです。

 

 

近所の散策中に見つけたお店でしたが、

 

 

やや小粒ながらカリッと香ばしく焼けた

 

外側とふわふわの中身。

 

 

見かけはいまひとつでも

 

味はいけるし、何より安い。

 

 

たしか五~六個入りで百円程度だったと思います。

 

 (さすが大阪、有名店からこんな小さな店まで、

 

たこ焼きのレベル高いな~)と、

 

感服した私。

 

 

小腹がすいたときなど、

 

ちょくちょく通うようになりました。

 

 

 その日も図書館からの帰りでしたが、

 

夕食を作るのが面倒で、

 

手っ取り早くたこ焼きで

 

済ませることにしたのです。

 

 

ところがいつもならすぐに買えるのに、

 

その日に限って数人が順番待ち。

 

学校帰りの中学生たちが、

 

 「おばちゃん、ボク十個入り。

 

 

マヨネーズたっぷりかけてな」

 

 「俺は醤油。青のりいらんで」

 

 「ボクのは、たこ、大きいの入れてや」

 

 

 など、あれこれ注文をつけたため、

 

おばあさんのゆっくりした手つきでは

 

余計に時間がかかるのでした。

 

 

空模様は怪しいし、

 

 

空腹でイライラしていた私。

 

 

あきらめてよそで食べるかと思いかけたとき、

 

ようやく前の人の番になりました。

 

 

「こんばんは。いつものやつ頼むわ」

 

 

 いかにも近所の常連風のおばさん。

 

 

店のおばあさんは手を動かしながら

 

天気の話などをして、

 

ふいに、こう訊ねたのです。

 

 

「夜のごはんごしらえ、済んだン?」

 

 「ごはんごしらえ」――

 

はじめて耳にした言葉です。

 

 

 

おばあさんの口調がおっとりしていたせいか、

 

 

それは〈漢字〉ではなく

 

〈ひらがな〉の響きでした。

 

 

「いいや、今夜はダンナ遅いねん。

 

 たこ焼き食べてから献立考えるわ~」

 

 

そう笑い合うふたり。

ぼおっと聞いていた私の胸が、

 

ほんわりと温かくなりました。

 

 

「ごはんごしらえ」......

 

 

 なんて優しくて、いい言葉なんだろう)

 

  そのあと自分の番に――。

 

 

買うつもりだった十五個入りを六個に変更し、

 

帰宅した独り暮らしの部屋で、

 

久々にきちんとした夕食を作ったのでした。

 

私が広島から大阪に越してきたのは、

 

 その二か月半前。

 

 

 

二十七歳の春でした。

 

 激務から心身のバランスを崩し、

 

  番組制作会社を逃げるように退職。

 

 

自信喪失と自己嫌悪とで闇の中に

 

ひたすらうずくまるような生活を変えるべく、

 

思い切って恋人が暮らす

 

大阪へ出てきたのです。

 

 

彼とは将来を約束した仲でした。

 

ところが引っ越す一週間前になって、

 

突然の破局。

 

 

すがりつきたい唯一の希望の糸が断ち切られ、

 

混乱と絶望の中、

 

ほかに知り合いもいない大阪へ

 

嫌々ながら居を移したのです。

 

 

〈キタ〉〈ミナミ〉

 

  区別さえつかない大都会。

 

 

ほとばしる街の活気とエネルギーに圧倒され、

 

孤独な私はさらに自信を喪失。

 

笑顔なんてとんでもなく、

 

息をするのもやっとという有様でした。

 

 そんなときです。

 

 

「ごはんごしらえ」 の言葉と出会ったのは。

 

 

やんわりとした優しさと温かみがあって、

 

古めかしい表現なのに新鮮。

 

 

大げさですが 「~ごしらえ」 という言いまわしに、

 

 

人間の暮らしの営み――

 

さらには私たち現代人が

 

 

忘れかけている大切なものまで

 

込められているように思えたのです。

 

 

その日以来、

 

私はまめに台所に立ち、

 

(ワンルームの狭いものでしたが)

 

 

三食きちんと料理を作る――

 

 

こしらえる ・・・・・

 

ようになりました。

 

 

 元々料理は嫌いではなく、

 

九州の実家でも、

 

広島での独り暮らし時代も

 

(恋人と過ごすときは特に気合を入れて)

 

色々なメニューに挑戦したものです。

 

 

近所の商店街へ足繁く通い、

 

関西ならではの食材の名前、

 

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調理方法を教えてもらいました。

 

 

テンポが速くて、

 

最初は乱暴に聞こえた大阪弁も、

 

慣れてくると耳に心地よく、

 

人懐っこくて情の深い人々とのやりとりにも

 

心を開きはじめました。

 

 

「お姉ちゃん、これが加茂ナス。

 

みそ田楽にしたらうまいで。

 

作り方教えたろか?」 とは、

 

ねじり鉢巻の八百屋のおっちゃん。

 

 

「えっ!、 てっちり食べたことないの?

 

そらアカン。

 

 

いま一人分包んであげるさかい」

 

 

これは、曲がった腰で

 

きびきび働く魚屋のおかみさん。

 

 

あのたこ焼き屋のおばあさんとも親しくなり、

 

九州土産を持っていくなど、

 

 

ささやかな交流も生まれました。

 

 

そうした日々が少しずつ、

 

荒れ果てた心に光を灯したのでしょう。

 

気がつけば、私はなくした笑顔と

 

自信を取り戻しつつありました。

 

 

やがて勇気を出して求人に応募し、再就職。

 

 

人の輪が広がるにつれ、

 

行動範囲も広がり、

 

趣味の教室などへも通うようになりました。

 

 

 考えてみると、あの日の

 

「ごはんごしらえ」

 

「人(人間関係)ごしらえになり、

 

「笑顔ごしらえ」 「勇気ごしらえ」

 

「仕事ごしらえ」 へと繋がったのです。

 

 

結局それから四年、大阪で暮らしました。

 

 

そういえば、

 

親しくなった人たちに訊ねたことがあります。

 

 

 

「ねえ、『ごはんごしらえ』 って

 

大阪独特の言いまわしなの?」

 

 

 「え~そんなン言わへんわ」

 

 

若い世代は、一様に首を振りました。

 

 

唯一聞いたことあると答えたのは、

 

五十代前半の女性のみ。

 

 

「あたしが子どもの頃、

 

京都のおばあちゃんが

 

言うてはった気がする......」

 

 

「ごはんごしらえ」――

 

 

もはや死語に近い言葉なのかも知れません。

 

それでもいいのです。

 

 

だってこの言葉は、

 

私の心の中で生き続けますから。

 

 (あ~疲れた。料理作るの面倒くさい)

 

 

いまや五十手前のおばさんとなった私ですが、

 

たまに――いえ、しょっちゅうこう思います。

 

そんなとき、必ず心の中で呼び替えるのです。

 

 

「ごはんごしらえ」 と――。

 

 

すると不思議と背筋が伸び、台所へ立てます。

 

 

たとえ簡単な手抜き料理でも、

 

こしらえる・・・・・

 

気持ちになるのです。

 

 

それは食事作りだけではなく、

 

仕事や人間関係でも同じ。

 

 

面倒なこと、

 

途中で投げ出したくなる出来事にぶつかると、

 

心の中で 「○○ごしらえ」 と呼び替えます。

 

 

〈作る〉のは億劫だけど、

 

〈こしらえる〉のは楽しい。

 

 

私にはヘンな思い込みがあるのかもしれません。

 

 「ごはんごしらえ」――

 

 

 

 

私にとって、

 

 日々を慈しむ魔法の言葉。

 

  生涯大切に使い続けます。

 

 

     (2019年2月19日 21:00)

 

 

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読売新聞教育ネットワークの基本指針には、

 読売新聞教育ネットワークは

「社会はまるごと学校」を合言葉に、

企業や学校間の交流を積み重ね、

日本の教育の発展を支援する取り組みです。


 出前授業や各種イベントを通じて

相互交流を図る一方、

読売新聞や読売中高生新聞などと連携しながら、

先駆的な授業などの取り組みを発信します。

 

と素晴らしい文面が表記されております。

 

まさに、「今後の時代にマッチした」

素晴らしい方針に感銘を受けました。

 

全面的に心から賛同しており、

私も微力ながら主旨に添えたい思いから、

私のブログにもシェアさせて頂き、

ブログを訪れて頂いた方やFacebookなど、

あらゆるSNS等でもシェアさせて頂いて

広めて行きたいと思っております。

 

また、読売新聞には「俳句、短歌、コラム」など」、

人情味が感じられる記事が沢山掲載されており、

読売新聞が愛されている

大きな要因にも成っていると思いますので、

その中からもシェアさせて頂き

投稿して行きたいと思っております。

 

日本を始め全世界が、「コロナ菌」で

何かと疲弊しておりますが、

これからの日本の時代は勿論、

全世界でも人間味のある 「絆」 の深い方向に

向かうことを願いながら投稿をさせて頂きます。

 

私のブログも 「訪れて頂いた方が愉快な気持ち」 に

成って頂きたい記事を投稿することをビジョンとしております。

 

今後とも、「読売新聞教育ネットワークや読売新聞」とともに、

私のブログにつきましても、ご愛読方を宜しくお願い申し上げます。

 

 

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