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コーヒータイム・心の癒し

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“あるレジ打ち女性の実話です”(感動実話)

読了までの目安時間:約 18分

 


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“あるレジ打ち女性の実話です” 

 

その女性は何をしても続かない性格でした。

 

田舎から東京の大学に来て、部活やサークルに入るのは

 

良いのですが、すぐイヤになって次々と所属を変えて

 

行くような人だったのです。

 

 

次に選んだ就職先は物流の会社です。

 

しかし、入ってみて自分が予想していた仕事とは

 

違うという理由で、やはり半年ほどで辞めてしまいました。

 

次に入った会社は医療事務の仕事でした。

 

しかしそれも、『やはりこの仕事じゃない』とは

 

言って、また辞めてしまいました。

 

 

そうしたことを繰り返しているうち、

 

いつしか彼女の履歴書には、

 

入社と退社の経歴がズラッと

 

並ぶようになっていました。

 

 

すると、そういう内容の履歴書では、

 

正社員に雇ってくれる会社が無くなってきます。

 

ついに彼女はどこへ行っても、

 

正社員として採用して貰えなくなりました。

 

だからといって生活のためには

 

働かない訳には行きません。

 

田舎の両親は早く帰って来いと言ってくれます。

 

しかし、負け犬のようで帰りたくはありません。

 

結局、彼女は派遣会社に登録しました。

 

ところが派遣も勤まりません。

 

すぐに派遣先の社員とトラブルを起こし、

 

イヤなことがあればその仕事を辞めてしまうのです。

 

彼女の履歴書には辞めた派遣先のリストが

 

長々と追加されていきました。

 

 

ある日のことです。

 

例によって『自分には合わない』などと言って

 

派遣先を辞めてしまった彼女に

 

新しい仕事先の紹介が届きました。

 

 

スーパーでレジを打つ仕事でした。

 

当時のレジスターは、今のように

 

読み取りセンサーに商品をかざせば

 

値段が入力できるレジスターではありません。

 

値段をいちいちキーボードに打ち込まなくてはならず、

 

多少はタイピングの訓練を必要でする仕事でした。

 

ところが勤めて1週間もするうちに、

 

彼女はレジ打ちにもう飽きて来ました。

 

ある程度仕事に慣れてきて

 

私はこんな単純作業の為にいるのではない』と

 

考え始めたのです。

 

 

とは云え、今まで散々転職を繰り返し、

 

我慢の続かない自分が、

 

彼女自身も嫌いになっていました。

 

もっと頑張らなければ、もっと耐えなければ

 

ダメということは、本人も分かっていたのです。

 

しかし、どう頑張ってもなぜか続かないのです。

 

この時、彼女はとりあえず辞表だけ

 

作ってみたものの決心をつけかねていました。

 

 

するとそこへお母さんから電話がかかってきました。

 

 

帰っておいでよ』 受話器の向こうから

 

お母さんのやさしい声が聞こえてきました。

 

彼女はこれで迷いが吹っ切れました。

 

田舎に戻るつもりでアパートの部屋を

 

片付け、その後に辞表を書き始めたのです。

 

 

長い東京生活で荷物はかなりのものです。

 

あれこれ段ボールに詰めていると、

 

机の引き出しの奥から1冊のノートが出てきました。

 

小さい頃に書きつづった大切な日記でした。

 

無くなって探していたものでした。

 

パラパラとめくっているうち、彼女は、

 

私はピアニストになりたい』と書かれている

 

高校時代のページを発見したのです。

 

 

そうだ! あの頃はピアニストになりたくて

 

練習をがんばっていたんだ・・・』。

 

彼女は思い出しました。

 

なぜかピアノの稽古だけは長く続いていたのです。

 

 

しかし、いつの間にかピアニストになる夢は

 

あきらめていました。

 

彼女は心から夢を追いかけていた自分を思い出し、

 

日記を見つめたまま本当に情けなくなりました。

 

あんなに希望に燃えていた自分が今はどうだろうか、

 

履歴書にはやめてきた会社がいくつも並ぶだけ。

 

自分が悪いのは分かっているけどなんて情けないんだろう。

 

そして私はまた今の仕事から逃げようとしている。

 

 

そして彼女は日記を閉じ泣きながら

 

お母さんにこう電話したのです。

 

お母さん、私もう少しここで頑張る!

 

 

彼女は用意していた辞表を破り、翌日も

 

あの単調なレジ打ちの仕事をするために

 

スーパーへ出勤して行きました。

 

 

ところが『2、3日でいいから・・・』と言われ、

 

頑張っていた彼女にふとある考えが浮かびます。

 

 

『私は昔ピアノの練習中に何度も何度も

 

弾き間違えたけど、繰り返し弾いているうちに、

 

どのキーがどこにあるかを指が覚えていた。』

 

 

そうなったら鍵盤を見ずに楽譜を見るだけで

 

弾けるようになった彼女は、

 

昔を思い出し心に決めたのです。

 

 

そうだ私は、私流にレジ打ちを極めてみよう! 』と。

 

レジは商品毎に打つボタンが沢山あります。

 

 

彼女は、先ずそれらの配置をすべて

 

頭に叩き込むことにしました。

 

覚えこんだらあとは打つ練習です。

 

 

彼女はピアノを弾くような気持ちでレジを打ち始めました。

 

そして数日のうちに、ものすごいスピードで

 

レジが打てるようになったのです。

 

 

すると不思議なことに、これまでレジのボタンだけ

 

見ていた彼女が、今まで見もしなかったところへ

 

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目がいくようになったのです。

 

最初に目に映ったのはお客さんの様子でした。

 

 

ああ、あのお客さん昨日も来ていたな

 

 

ちょうどこの時間になったら子ども連れで来るんだ』とか、

 

いろいろなことが見えるようになったのです。

 

 

それは彼女の秘かな楽しみにもなりました。

 

相変わらず指はピアニストのように、

 

ボタンの上を飛び交います。

 

そうして、いろいろなお客さんを見ているうちに、

 

今度はお客さんの行動パターンやクセに気づいていくのです。

 

 

この人は安売りのものを中心に買う』とか、

 

この人はいつも店が閉まる間際に来る』とか、

 

この人は高いものしか買わない』とかが分かるのです。

 

 

そんなある日、いつも期限切れ間近の安い物ばかり

 

買うお婆ちゃんが、5,000円もするお頭付きの

 

立派なタイをカゴに入れてレジへ持ってきたのです。

 

 

彼女はビックリして思わずおばあちゃんに話しかけました。

 

 

今日は何かいいことがあったんですか?

 

 

お婆ちゃんは彼女ににっこりと顔を向けて言いました。

 

 

孫がね水泳の賞を取ったんだよ、

 

今日はそのお祝いなんだよ、

 

いいだろうこのタイ 』 と話すのです。

 

 

いいですね、おめでとうございます!

 

 

嬉しくなった彼女の口から自然に

 

祝福の言葉が飛び出しました。

 

 

お客さんとコミュニケーションをとることが

 

楽しくなったのはこれがきっかけでした。

 

いつしか彼女はレジに来るお客さんの顔を

 

すっかり覚えてしまい、名前まで一致するようになりました。

 

 

○○さん、今日はこのチョコレートですか?

 

 でも今日は、あちらにもっと安いチョコレートが

 

出ていますよ!

 

 

今日はマグロより安いカツオのほうがいいわよ! 』などと

 

言ってあげるようになったのです。

 

レジに並んでいたお客さんも応えます。

 

 

いいこと言ってくれたわ、今から換えてくるわ

 

 

そう言ってコミュニケーションを取り始めたのです。

 

彼女はだんだんこの仕事が楽しくなってきました。

 

 

そんなある日のことです。

 

 

今日はすごく忙しい』 と思いながら、

 

彼女はいつものようにお客さんとの

 

会話を楽しみつつレジを打っていました。

 

 

すると、店内放送が響きました。

 

 

本日は大変混み合いまして大変申し訳ございません、

 

どうぞ空いているレジにお回りください!

 

 

ところが、わずかな間をおいてまた放送が入ります。

 

 

本日は混み合いまして大変申し訳ありません、 

 

重ねて申し上げますが、どうぞ空いている

 

レジにお回りください!

 

 

そして3回目、同じ放送が聞こえてきた時に、

 

初めて彼女はおかしいと気づき周りを

 

 

見渡して驚きました。

 

 

どうしたことか5つのレジが全部空いているのに、

 

お客さんは自分のレジにしか並んでいなかったのです。

 

店長があわてて駆け寄ってきます。

 

 

そしてお客さんに

 

どうぞ空いているあちらのレジへお回りください 』と

 

言ったその時です。

 

お客さんは店長に言いました。

 

 

放っておいてちょうだい!

 

 私はここへ買い物に来てるんじゃない!

 

 あの人とおしゃべりに来てるんだ! 

 

 

だからこのレジじゃないとイヤなんだョ!

 

 

その瞬間、レジ打ちの女性はワッと泣き崩れました。

 

お客さんが店長に言いました。

 

 

そうそう!私たちはこの人と話をするのが

 

楽しみで来てるんだ! 

 

今日の特売は、ほかのスーパーでもやってるよ! 

 

 

だけど私はこのお姉さんと

 

お話をするためにここへ来ているんだよ!

 

だからこのレジに並ばせておくれョ!

 

 

彼女はポロポロと泣き崩れたまま

 

レジを打つことができませんでした。

 

 

仕事というのはこれほど素晴らしいものなのだと

 

初めて気づきました。

 

 

すでに彼女は昔の自分ではなくなっていたのです。

 

 

それから彼女はレジの主任になり、新人教育に携わりました。

 

彼女から教えられたスタッフは、

 

仕事の素晴らしさを感じながら

 

お客さんと楽しく会話している

 

とのことであります・・・・・。

 

                 ~ おわり ~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

***************************

 

YouTube動画よりお伝えしました。

 

YouTubeには感動的な動画や、

 

サプライズ動画など沢山見られます。

 

心のリフレッシュにも成ります。

 

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